概要
研究課題 |
進学,就職,転職,職業やパートナーの選別などなど……,あなたは人生における重要な決断をする際,誰に相談しますか?どこからの情報を重視しますか? 職場で直面している問題やトラブルをクリアーするのに,ピアーディスカッションを何度も何度も積み重ねますか?新商品や事業のアイデアに行き詰まった時,専門書をひたすら読み返したり,顧客の声を洗い出しまことに終始しますか? ラテラルシンキングや弱連結の強みという概念においては,イノベーションは「慣れ」と「非日常」が接触した時に,その萌芽が生まれます。慣れ親しんだ情報,思考様式のみではなく,自己にとっては「異質」や「関係の希薄」な人,場所との接触によって,自己の思考の中の「当たり前」と無意識の固執に気づかされる効果があるからです。 親しい,親身になってくれる近しい人の助言,つまり情報や知識が,必ずしも問題を解決してくれるヒントにはならない場合があります。むしろ関係の希薄な人の何気ない発言や意見の方が,「気づき」を提供してくれる可能性があるのです。 本研究ユニットは,こうした考えを提起した米国の社会学者グラノベッターのアイデアを,和歌山という地域を場に設定し,リサーチすることを目的としている。インフォーマル?ネットワーク,つまり家族や友人,職場における関係などとは異なった,結びつきが弱く,接触の頻度も低い,権限や信用も脆弱な関係性が,個人の重要な意思決定に与える影響を,まさしくインフォーマル?ネットワークの形成を仕掛け,その中で探求していく。 |
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研究コンセプト |
「仮説を抱いて街に出る」,「袖触れ合うも何かの縁」の精神で,赤提灯や病院の待合室,旅先で偶然出会った人や,友達の友達,趣味のサークルで意気投合した人,夕暮れの浜辺で黄昏る人などなど,頻繁に接触することのない,もしかしたらその場限り二度と出会わないかもしれない人も含め,人々の人生の岐路における決断の背景を会話の中で聞き取り,ターゲットサンプルを確定したり,トレンドを掌握する。 ターゲットサンプルになり得る人の属性(職業,年齢,キャラクターなど)を類型し,属性別の意思決定の背景の傾向などサンプリングする。 また「友達の友達」実験を実践して,当該地域におけるネットワーク密度も考察の対象にする。ターゲットサンプルに別の調査対象者を数珠つなぎで紹介してもらい,インフォーマル?ネットワークの起点や密度も探る。 |
期間 | 平成25年度~平成29年度 |
活動状況 | [インフォーマル?ネットワーク研究ユニット]活動状況 |
メンバー
メンバーの所属は2017年4月1日時点のものです。
氏名 | 所属 |
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高岡伸行(代表) | 和歌山大学経済学部 |
厨子直之 | 和歌山大学経済学部 |