プロジェクトタイトル
観光?的地におけるガバナンス:マネジメント、ステークホルダー?ネットワーク、サステナビリティの新たな役割と取り組みの創意?夫
研究ユニット
代表者
メンバー
香月 義之, 西釜 義勝, Daniyel Serzhanuly, 小川 雅則, 永井 隼人, 南條 青志
プロジェクト期間
2025年5月1日 ~ 2026年3月31日
プロジェクト概要
日本の観光をめぐる環境が変容している。大阪?関西万博では、持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献およびSociety5.0の実現が目的の一部となっている。他方、beyond GDPやWell-beingに関わる指標などが国連未来サミットを中心に議論されている。また、日本への旅行者数は、コロナ禍から回復しており、オーバーツーリズムが顕在化している。加えて、訪日旅行者ニーズに変化が見られるため、観光目的地側には、高度な対応能力が求められる。そこで、本研究は、観光目的地におけるガバナンスの視座から、マネジメント、ステークホルダー?ネットワーク、サステナビリティに着目し、観光目的地ごとになぜ異なった結果となるのかを問いとする。具体的には、実施項目の優先順位の相違、特徴的な取り組みの裏側における創意工夫などを結果として明らかにし、問いについて考察する。実際には、関西エリアのDMOのなかで、地域連携DMOの活動に焦点をあて情報収集し、ベストプラクティスをいくつか提示する。
成果報告
「なぜ特定の観光マネジメントのモデルが、観光目的地ごとに異なった結果となるのか」を大きな問いに設定し、A(Academic:国内外の大学研究者、教員、大学院生等)、P(Practitioner: DMO、県庁職員、自治体関係者等の地域観光実務を担う主体)、G(Global: 海外の実務家であり、学術的視座を併せ持つ国際連携パートナーと位置付け)という3つの主体間のつながり(A-P,A-G,P-G)を意識して研究に取り組んだ。実際には、1年間の研究期間を念頭に、「特定の観光マネジメントモデルが、実務者の認識や地域固有のアイディアの違いによって、なぜ目的地ごとに異なるか」を小さな問いとして、①和歌山県内DMO勉強会における旅行タリフづくりの実践とグループワークを通じた現場の認識の抽出(A-P)、②国際連携パートナーと日本におけるDMOの構造に関する議論(A-G)を実施した。
成果として、第一に、A-Pの観点では、近畿運輸局の伴走支援事業に実際に携わったDMOがプロセスや成果を発表した。結果として、DMOがSWOT分析を実施する意味や効果などについて、参加者から意見を収集できた。また、タリフ作りのグループワークを実施した。結果として、大学院生と実務者との対話など、タリフを利用したコミュニケーションや新たなアイディアの創出の可能性を観察できた。
第二に、A-Gの観点では、カザフスタンの実務者でありPhDに取り組むメンバーとの間で、日本のDMO制度の特性について意見交換し、カザフスタンなど中央アジア諸国の観光開発にどのように影響を与える可能性があるのかを議論した。結果として、DMOの活動範囲を考慮することによって、観光地エリアの運営に関わる課題を、意思決定の主体ごとに分類することに寄与する可能性を抽出できた。
以上の成果をもとに、学会報告に向けてさらに検討を継続する。

