- テーマ:紀伊半島東南部の食文化の研究
- 日時:2009年11月13,14日
- 場所:奈良県吉野郡上北山村、下北山村、三重県熊野市、尾鷲市
- 実施主体:鈴木裕範研究室
- 参加者:鈴木ゼミ学部生、大学院生 約20名
発表風景1
下北山村の田ノ下洋子さん
伝統野菜のはる真菜
発表風景2
経済学部准教授鈴木裕範研究室では「現場が人を育てる」という観点から毎年度ゼミナールを中心にテーマを設け、地域に出て学ぶフィールドワーク授業を行っています。
今回紹介するフィールドワークは観光立村をめざす人口約520人の村?北山村と協力し、紀伊半島東南部の和歌山、奈良、三重3県の食資源とその文化の特性や多様性をとらえようと実施したもので、経済学部の2年から4年生までの学生と、大学院生ら約20人が参加しました。
調査は、4つのチームに分かれて奈良県東吉野地方の上北山、下北山村と三重県の熊野市、尾鷲市の2市2村の各地域で、漁民、山村住民、女性グループの代表らから聞き取りを行いました。地域の食材と調理の仕方、食と行事との関連を聞くなかで、尾鷲市ではカツオやマグロ、ブリなど旬の魚介類を利用した料理やいく種類ものすし文化が伝承されていることが確認されました。また、下北山村では伝統野菜のはる真菜を使った独特の料理が、そして、北山川流域にはトチ餅をはじめ豊かな餅文化がいまも生きていました。調査では、試食もさせてもらうなど、交流を深めることもできました。食への関心をとおして、学生たちには自然?風土や歴史を理解し地域に生きる人の文化や心にふれる機会となりました。
調査の内容は北山村大沼にある村民会館で開いたワークショップで、食文化を活かした地域づくりについての発表が行われ、役場職員や村民らが耳を傾けました。調査内容は報告書にまとめ、村に提案されました。